ご挨拶
厚生連高岡病院 院長 柴田 和彦
令和6年4月1日付で、厚生連高岡病院の第15代院長に就任いたしました柴田です。高岡医療圏のみならず富山県西部地域において当院が果たしている役割の重要性を鑑み、重責を感じ、身の引き締まる思いです。
私は、当地高岡市に生まれ、高校時代までを高岡で過ごしました。昭和63年に金沢大学医学部を卒業し、当時としては未開の分野であった進行肺がんの治療に取り組みたいとの思いで、金沢大学第三内科(現、血液内科および呼吸器内科)の門をたたきました。大学で診療していた期間は合計しても3年ほどで、その他の期間は地域の病院で、内科、呼吸器内科の診療にあたってきました。当院には平成9年に赴任し、呼吸器内科医、腫瘍内科医として26年間勤務して参りました。丁度赴任した平成9年は、当院が富山県西部地域の三次救急病院、救命救急センターとして指定を受けた年で、以降、救急医療はそれ以前にも増して当院の診療の柱の一つであり、最後の砦として救急要請に対する応需率は99%を維持しています。
平成19年には当院が高岡医療圏の地域がん診療連携拠点病院の指定を受け、同年4月には総合的がん診療センターを院内部門として、診療科として腫瘍内科を開設いたしました。地域の診療所、病院の先生方から多くのがん患者さんの紹介を受け、がん診療もまた当院の診療のもう一つの重要な柱となっています。
また、当院は33診療科を標榜する総合病院であり、救急医療、がん医療以外の分野についてもそれぞれに特徴のある、第一線の診療を提供しております。さらに、臨床研修病院として多数の初期研修医の教育にあたり、地域周産期母子医療センター、地域災害拠点病院、へき地医療拠点病院等の指定も受け、公的な役割を数多く担っております。
今年度が元年と言われる医師の働き方改革や、来年度に向けて議論が進められている地域医療構想策定など、医療機関には課題が山積しています。コロナ禍や能登半島地震など想定していなかった事態が次々と発生し、まさに先の見通せないVUCA(変動性、不確実性、複雑性、曖昧性)の時代です。うまく舵取りができるのか私自身不安を抱えての船出となりますが、地域住民の方々、地域医療機関の方々に信頼され「厚生連でよかった」と言ってもらえる病院づくりを針路に定め、これからも一歩一歩前進していく所存です。
さまざまなご意見に耳を傾け、よりよい病院をともに作り上げていきたいと決意いたしております。どうぞよろしくお願い申し上げます。
令和6年4月
厚生連高岡病院
院長 柴田和彦