この度、当院におきまして緩和ケア病棟開設を機に緩和ケアチーム、緩和ケア外来、緩和ケア病棟そして在宅緩和ケア支援の4つのコンセプトを統合して推進する機能部門として、緩和ケアセンターを開設する運びとなりました。
緩和ケアセンターとは、全てのがん患者やその家族に対して、より迅速かつ適切な緩和ケアを切れ目なく提供するために、これまでの緩和ケア体制をさらに強化したセンターとして都道府県がん診療連携拠点病院等において平成28年4月から整備が義務化されました。
「緩和ケアセンター」は、これまでの「緩和ケアチーム」や「緩和ケア外来」の運営機能に加えて、①地域で緊急に生じた緩和ケアのニーズに確実に対応する機能、②地域の他の医療機関等との連携調整機能、③がん患者やその家族に対する相談支援機能等を有するものとされています。また各機能が相互に連携体制を取る機能部門として期待されるもので、将来的には地域がん診療連携拠点病院においても設置が求められる機能と考えられます。
当院においては、「緩和ケアチーム」「緩和ケア外来」「緩和ケア病棟」に加えて、当医療圏における在宅緩和ケアの推進を目的として、「在宅緩和ケア支援」も加えた4部門の統括機能部門としてスタートいたします。
この中の緩和ケア病棟ですが、緊急受け入れ病床1床を含めて16床、全室個室での開設です。この病棟の特徴としては、緩和的放射線治療以外の積極的がん治療は控える状態においての利用が前提であるため、可能な限りトータルペインとしての症状の改善を専門のスタッフによって時間をかけずに行うことが目的となります。ただ、終の棲家としての認識ではなく、患者さんとご家族が御希望されて、身体的症状の改善が得られ地域医療・介護・福祉担当の皆さんとの調整ができれば、可能な限りご自宅での療養を支援することが大きなコンセプトとなります。緩和ケア病棟は、このようにまずは病棟ご利用に対しての御希望あるいは必要性のある患者さんに対して、トータルペインのケアを行い、状態の安定を得たところで御希望に合わせて地域の医療関係者の皆様との有機的連携によって、がん患者さんのご自宅での療養、いわゆる在宅緩和ケアを推進していくベースキャンプとしての機能も発揮することが求められる病棟と考えています。ただ、自宅療養が困難な状況となった場合には、再入院されての穏やかな看取り場所としても重要な病棟の役割です。
今後、高岡医療圏を含めた多くの地域のがん患者さんの緩和ケアマネージメントの中心となるべく、ホスピスマインドを大切にした運営を行いますので、ご理解とご支援を賜りますようお願い申し上げます。
緩和ケアセンター長
村上 望
患者さん、ご家族の意志を尊重して、心と体のつらさを和らげるように支援します。
緩和ケアセンターは、緩和ケア外来、緩和ケア病棟、緩和ケアチーム、在宅緩和ケア支援があり、すべての患者さん、ご家族のサポートを行います。
がんと診断された時からがん治療中、終末期にかけて患者さん、ご家族の心と体のつらさを支える専門的なチームです。特に入院中の患者さんに対応しています。
がんによる症状にお困りの患者さんを対象とした専門外来です。各科主治医と連携し、患者さん・ご家族の心と体のつらさを支えていきます。特に外来通院中の患者さんに対応しています。
がん患者さんが自宅で安心して療養ができるように、地域の在宅医、訪問看護師と連携しています。患者さん、ご家族の意向に合った療養について一緒に考えます。
患者さん、ご家族の心や体のつらさを和らげ、その人らしい生活が送れるように支援する病棟です。
身体担当の医師 村上 望(チームリーダー:専従) |
痛みや吐き気など体の苦痛緩和を考えます |
精神担当の医師 三邉 義雄 |
不安や落ち込みなど心の苦痛緩和を考えます |
看護師 浦上 裕美 (緩和ケア認定看護師:チーム専従) |
身体や心の苦痛による日常生活の問題を考えます |
薬剤師 高瀬 美咲枝(がん専門薬剤) |
薬剤を中心に苦痛を和らげる方法を考えます |
理学療法士 吉田 千尋 |
リハビリや体の動きの問題を考えます |
管理栄養士
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食事や栄養の問題を考えます |
ソーシャルワーカー 三可 浩史 |
退院後の問題や経済上の問題、介護保険の利用などを考えます |
臨床心理士 中西 美穂 |
心に寄り添い、心理的なサポートをします |
お問い合わせ : 緩和ケアチーム専従看護師まで
電話番号0766-21-3930(代表) 内線4349