核医学検査について
核医学検査はRI検査やアイソトープ検査とも呼ばれていて、ごく微量の放射性物質(ラジオアイソトープ:RI)を含む薬を用いて病気を診断する検査です。この微量の放射性薬剤が注射などにより体内に入ると、特定の臓器(骨や腫瘍など)に集まりそこから放射線を発します。この放射線をガンマカメラ(シンチカメラ)と呼ばれる特別なカメラで体外から測定し、その分布を画像にします。
mた、この検査の特徴は臓器の位置や大きさの他に「機能・働き」が分かるというところです。X線検査やCT検査などは主に臓器の形の異常をとらえるのに対して、核医学検査は臓器の働き(機能)をとらえることができます。そのたm非常に鋭敏な検査であり、他の検査では分からない病気を見つけることもあります。苦痛も無く副作用も非常に少ない検査で、多くの病気の診断に利用されています。また、近年では放射性物質から放出される放射線を用いた甲状腺のRI内用療法も行っています。
当院の検査装置
- SPECT-CT(シーメンス社製)
- PET-CT(GE社製)
SPEC-CT
SPEC-CT装置は、ガンマカメラとCTが一体となった装置です。CTを併用することにより、特にガリウムシンチ・骨シンチ・センチネルリンパシンチ・肺血流シンチ・消化管出血シンチ等、核医学画像のみでは集積部位の解剖学的位置がはっきりしない検査に威力を発揮します。通常の核医学検査と比べて、この装置を使用することにより、精度の高い検査を行うことができます。
検査による放射線の影響
この検査は、ごく微量の放射性同位元素(ラジオアイソトープ:RI)を含む薬を患者さんに投与して病気を診断する検査です。そのため医療被曝や副作用を気になさる方もいると思います。核医学検査では、1回におよそ0.2~8ミリシーベルトの放射線を受けます。検査用の放射性医薬品に含まれるアイソトープの量はわずかですから、放射線影響の点からみても心配はありません。
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PET-CT
PETとはPositron Emission Tomography(ポジトロン・エミッション・トモグラフィー)の略語で、CTが体の形態をみる検査に対して、PET検査ではがん細胞が正常組織よりもブドウ糖を多く取り込む特性を利用して生理機能を画像としてみることができます。PET-CTはこの2つを融合したもので高精度な融合画像を作成できるため、内臓の位置やリンパ節の位置などが確実に判定でき、腫瘍があった場合、それがどこに存在してどこまで広がっているのかを正確に診断できます。
当院では、令和4年4月よりGEヘルスケア社製の最新鋭PET-CT装置を新規導入しました。高性能のPET装置とCT装置を一体化させることにより、それぞれの特性を活かした診断能の高い画像が得られます。今回導入したPET-CTは半導体検出器を搭載しており、これまでの機器に比べ更に詳細な診断が可能になります。また、AIを搭載した高性能CTにより被ばく線量も大幅に低減することが可能となりました。