循環器内科について
概要
循環器内科は、各種の心臓病や血管病を診断・治療する診療科です。循環器専門外来を設け、紹介の患者さんはもとより、紹介状がなくても患者さんが希望すれば、直接循環器専門医の診療を受けることが可能です。また、急性疾患や重症患者さんは、受付時間以外でも紹介があれば診療をしており、夜間・休日も2名のオンコール医を配置し、365日診療が可能な状態となっております。各症例ごとに最も適切な治療を行うことをモットーに日々診療にあたっておりますので、よろしくお願いいたします。
診療内容
主な対象疾患
- 虚血性心疾患(急性・陳旧性心筋梗塞、狭心症、無痛性心筋虚血など)
- 不整脈(心房細動・頻拍、心室細動・頻拍、徐脈性不整脈、ブルガダ症候群、QT延長症候群、期外収縮など)
- 末梢動脈疾患(閉塞性動脈硬化症、腎動脈狭窄症、頸・脳動脈狭窄症など)
- 心不全(虚血性心疾患・各種弁膜症・各種心筋症・不整脈などによる)
- 肺動脈疾患(肺高血圧症、肺動脈塞栓症など)
- その他
主な疾患
①虚血性心疾患は、心筋を栄養する冠動脈に狭窄や閉塞が生じ、胸痛・胸部圧迫感が生じ進行すると急性心筋梗塞や心不全・不整脈の原因となり致命的となる疾患です。2012年3月に新しく導入された最新鋭の2台の心臓カテーテル装置(図1)や最新鋭の心臓CT装置を用いて迅速で正確な診断を行い、当院心臓血管外科とも協力し、各症例ごとに最適な治療方針を決定しています。心臓カテーテル検査は、そのほとんどを局所麻酔で手首からのカテーテル挿入で行っており、2泊3日の入院となります。冠動脈に病変があった場合、重症であれば心臓血管外科に冠動脈バイパス術を依頼し、軽症から中等症にはカテーテル治療(PCI:経皮的冠動脈インターベンション:図2)を行なっております。カテーテル治療の入院期間は原則3泊4日で、退院後から通常の日常生活に戻ることが可能です。この治療は主にステント(図3)という金属コイルを留置して冠動脈病変を拡張しますが、最近では異物を残さない薬剤溶出性バルーン(図4)による拡張も積極的に行っています。2013年9月より高速回転式経皮径管アテレクトミー(ロータブレーター:図5)の施設基準を満たし、これを用いて冠動脈石灰化の強い病変にも対応できるようになりました。2016年からは、冠動脈粥腫切除術(DCA:図6)も開始し、冠動脈近位部や分岐部病変にも最適な治療を行っております。富山県西部地区において三次救急指定病院は現在当院のみであり、24時間365日急性心筋梗塞症の受け入れを行なっております。看護師・放射線技師・生理検査技師・臨床工学士も常に待機しており、チームで夜間・休日を問わず緊急カテーテル検査や緊急カテーテル治療を行なっています。
最新鋭心臓カテーテル装置(図1)
冠動脈カテーテル治療(図2)
冠動脈ステント(図3)
薬剤溶出性バルーン(図4)
ロータブレーター(図5)
冠動脈粥腫切除(DCA)カテーテル(図6)
②不整脈診療にも力を入れており、最近増加傾向にある“心房細動”に対しても最先端の治療を行なっています。心臓の電気的興奮を画像化するCARTOシステム(図7)をいち早く導入し、これを用いてカテーテルアブレーション(心筋焼灼術:特殊な電極カテーテルで不整脈の発生となっている心筋を高周波焼灼し、不整脈を根治・抑制する)を行い、北陸でも有数の治療件数となっています。2017年4月からは、施設認定を満たし、クライオバルーンによる冷凍凝固壊死法(図8)を用いたアブレーションも開始しました。これにより従来の方法に比べ治療時間が短縮でき、患者さんへの負担が減りました。また、徐脈性不整脈には人工ペースメーカー植込み手術を7~10日前後の入院で行なっております。さらに致死性不整脈である“心室細動・心室頻拍”に対しては、富山県西部地区において現在当院のみのICD(植込み型除細動器)治療も行っております。
カテーテルアブレーションとCARTO画像(図7)
アブレーションカテーテルとクライオバルーン(図8)
③末梢動脈疾患は、下肢動脈硬化のため足への血流不足を生じる疾患で、重症になると下肢の傷が治りにくくなり、バイ菌感染のもととなったり下肢が壊死(下肢が黒く腐ってくる)したりします。特に喫煙者や糖尿病では下肢の動脈硬化を生じやすく、足が痛むからと整形外科に受診することが多いですが、下肢の冷感や歩行時の筋肉の痛みは下肢の血流不足が原因の可能性があります。下肢の血流障害は四肢の血圧を同時測定する(ABI)だけで簡単に発見できますし、異常があればMRI検査やCT検査で非侵襲的に下肢動脈の異常が検出できます。動脈の狭窄や閉塞があれば虚血性心疾患と同様で、心臓血管外科と協議し、可能であれば血管内カテーテル治療(EVT)を行なっています。
④心不全は、何らかの原因(心臓病が多いですが、貧血などの非心臓病もあり得ます)があって心臓が充分な血液循環量を保てなくなったものです。息切れや呼吸困難、動機・むくみなどが主な症状です。原因が多岐にわたるため、カテーテル検査を含めた多種の検査で原因を突き止め、その原因に応じた最適な治療を行っています。重症心不全には、薬物治療のみならず、簡易呼吸器治療(ASV)や外科治療、心臓再同期療法(CRT-PやCRT-D:図9)も行なっております。
心臓再同期療法CRTD(図9)
施設認定
循環器専門医研修施設
日本心血管インターベンション治療学会研修施設
不整脈専門医研修施設
その他(冠動脈ロータブレーター治療認可、両心室ペーシング治療認可、植込み型徐細動器植込み認可、冷凍凝固壊死法によるアブレーション認可、経皮的心室中隔心筋焼灼術認可 など)
藤本 学
(ふじもと まなぶ)
役職 | 診療部長 |
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資格 | 日本内科学会認定医・総合内科専門医 |
内山 勝晴
(うちやま かつはる)
役職 | 診療部長待遇 |
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藤田 崇志
(ふじた たかし)
役職 | 診療部長待遇 |
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資格 | 日本内科学会認定医・総合内科専門医 |
藤岡 研佐
(ふじおか けんすけ)
役職 | 診療部長待遇 |
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資格 | 日本内科学会認定医 |
小島 信子
(こじま のぶこ)
役職 | 医長 |
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資格 | 日本内科学会内科専門医 |
午前 受付時間 8:30~11:30
月 | 火 | 水 | 木 | 金 | |
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初診 | 藤田 崇志 | 小島 信子 | 藤岡 研佐 | 藤本 学 | 内山 勝晴 |
藤本 学 | 藤本 学 | 藤田 崇志 | 小島 信子 | 藤岡 研佐 | |
内山 勝晴 |
当科の治療件数の推移
当科では、これから医師を目指す医学生さんや若手医師の先生方に対する研修も重要視しております。複数の指導医とともに、豊富な症例数を通じて、問診や診察・説明と同意などの基本的なことから、各種医療機器を実際に使用しての診断法・診断技術・治療法などが学べるようなシステムをとっております。循環器疾患に興味のある医学生・研修医の皆さん、ぜひ当院で学んでみませんか!お待ちしております。