血液検査について
1.血球成分の検査
血液検査には血球成分の検査と凝固線溶の検査があります。
(1)自動血球数装置による検査
装置を用いて以下の項目について測定します。
項目 | 役割 | |
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白血球数(WBC) | 病原微生物に対して体を防御する細胞です。 | |
赤血球数(RBC) | 酸素や二酸化炭素を運搬する細胞です。 | 貧血や赤血球増加症の診断に用いられます。 |
ヘモグロビン濃度(HGB) | 赤血球に含まれる血色素です。 酵素と結びつく性質を持ちます。 |
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ヘマトクリット値(HCT) | 血液全体に含まれる赤血球の割合です。 | |
血小板数(PLT) | 出血したときに血栓を作って血を止める細胞です。 出血傾向や血栓症、様々な血液疾患の診断に用いられます。 |
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白血球分類 | 白血球を5種類(好中球、リンパ球、単球、好酸球、好塩基球)に分類します。 異常値や異常メッセージがでた場合は自動で標本が作製されます。 |
(2)顕微鏡による検査
検査技師が顕微鏡で標本を観察し、白血病細胞などの異常細胞を認めた場合は直ちに医師に報告します。
(3)骨髄検査
骨髄は骨の中心部にある造血組織で、白血球、赤血球、血小板の親の細胞はここで作られます。装置または顕微鏡検査で血球成分に異常を認めた場合、骨髄の細胞に異常がないかを確認するために医師による骨髄検査が行われることがあります。
2.凝固線溶の検査
凝固とは出血したときに血を止めること、線溶とは固まった血(血栓)を溶かすことです。
(1)出血時間
耳たぶに少しだけ傷をつけて、出てきた血液が止まる時間を測定します。血小板の働きを調べる検査です。
(2)凝固検査
自動分析装置による検査です。血液に試薬を加えて、その血液が固まる時間を測定します。凝固因子による凝固能のスクリーニング、坑凝固療法のモニタリングのために以下の項目を測定します。
- プロトロンピン時間(PT)
- 活性化部分トロンボプラスチン時間(APTT)
- フィブリノゲン濃度(FIB)
- アンチトロンビンⅢ(ATⅢ)
(3)線溶検査
自動分析装置による検査です。血栓症の診断のために、以下の項目を測定します。
- フィブリノゲン・フィブリン分解産物(FDP)
- Dダイマー