診療科・専門部・部門 生理検査

生理検査について

生理検査室では患者さんに直接接し、色々な生体情報を波形や画像として記録し、病気の発見や予後判定に繋がる検査を行います。
信頼性の高い検査結果を出せるように日々技術の向上を目標に努力しています。

心電図検査

安静時心電図検査

心電図は心臓で起こる微弱な電気信号を心電計という装置で増幅させ、波形として記録したものです。不整脈、心肥大、虚血性心疾患などの診断や手術前や入院時の精査などでも行われます。
検査所要時間は準備の時間も含め約5分です。

負荷心電図

安静時の心電図では異常が見られない場合等に、心臓に負荷をかけ心電図変化の有無を記録します。
これには階段を昇降するマスター負荷試験、ベルトの上を歩くトレッドミル検査があります。
検査所要時間は約15~30分です。

レイトポテンシャル(LP)検査

心室性不整脈(VT/VF)を引き起こす遅延電位(LP)を、体表面心電図上から検出し、危険な不整脈の予知、失神発作をおこす可能性について調べます。
また、更に詳しく電気生理学的検査が必要かどうかのスクリーニングテストとしても有用です。
検査所要時間:約10~15分です。

長時間記録心電図検査

24時間ホルター心電図検査(24時間記録可)

日常生活(24時間)の中での心電図を記録し、不整脈の検出や自覚症状(動悸・胸痛等)時の心電図変化の有無を観察します。また抗不整脈薬服用時の効果判定も行われます。
検査所要時間:24時間、記録器装着の所要時間:約10分

注意事項

  • 記録装置の装着と取り外しのため2日続けて来院いただきます。
  • 行動の制限はありませんが、お風呂・シャワーはできません。
  • 行動の記録を書いていただきます。(薬・トイレ・食事・飲酒・タバコ・起床就寝など)
  • 翌日はシール電極などを除去しますので、装着した時間に来院してください。
2週間ホルター心電図検査(最大2週間記録可)

24時間では捉えにくい発作性心房細動(PAF)検出などに有用な情報を得ることができます。
入浴中を含めた日常生活の心電図波形が最大14日間にわたって連続記録が可能です。

24時間血圧検査

日常生活の中で24時間血圧を記録し、1日の中での血圧の変化や降圧剤の効果判断、高血圧の判定を行います。

注意事項

  • 血圧の測定は、日中は30分間隔、夜間は60分間隔に行います。
  • 記録装置の装着と取り外しのため2日続けて来院いただきます。
  • 行動の制限はありませんが、お風呂・シャワーはできません。
  • 行動の記録を書いていただきます。(薬・トイレ・食事・飲酒・タバコ・起床就寝など)

呼吸器機能検査

肺や気管支の病気の早期発見、診断に役立てるための検査です。
また、全身麻酔による手術時の呼吸管理のためのスクリーニングにも用いられます。
検査所要時間:10~30分
注意事項
呼吸機能検査は、検査を受ける側(患者さん側)の理解と努力が検査結果に大きく影響を及ぼします。したがって、健常者であっても方法によって異常値になってしまうこともありますので、技師の誘導に合わせる必要があります。

主な呼吸機能検査の種類(下記を組み合わせて行う)
  • 肺活量(SVC):最大吸入状態から最大呼出(最も大きく息を吐くこと)までの空気の量を測定し肺活量とします。
  • 努力性肺活量(FVC):最大呼気後、できるだけ速く息を吐き出し、最大呼出までに吐き出された空気の量などを測定します。厳密には一秒間に吐き出せる空気の量やはきだすとき流速を計測します。
  • 残気量(FRC):最大呼出の状態でなお肺に残っている量を残気量といいこの量を計測します。
  • 肺拡散能(DLCO):気管の末端にある肺胞と肺の毛細血管の間のガス交換能力を調べます。

他に気管支喘息の診断に有用な気道可逆性試験や呼気NO検査等も行っています。

脳波、神経誘発電位検査

脳波検査

脳波検査とは脳の生体電気信号を記録する検査です。主にてんかんや意識障害などの診断に有用です。頭に電極を装着し、安静な状態で検査を進めていきます。
検査所要時間:30~50分です。
小児の場合は、お薬で眠った状態での検査になるケースが多いです。

注意事項
検査当日は整髪料は控えてください。
小児の場合は、時間にゆとりをもってお早めに来院願います。

神経伝導速度

手や足の神経を電気刺激し興奮が伝わる速度や、伝わり方を波形として記録します。多少のぴりっとした痛みを伴います。主に手や足に力が入らない場合、しびれを感じる場合などに施行し、神経や筋肉に異常がないかを調べます。
検査所要時間:30~50分です。

誘発電位検査

SEP:手や足の神経を電気刺激し、電気刺激の脳までの伝わり方を調べます。主に手や足に力が入らない、しびれるなどの症状の原因を探る為の検査です。
ABR:ヘッドホンから音を聞き、耳から脳までの音の伝わり方を調べます。心因性難聴や聴覚神経系などに異常がないかを評価します。
VEP:光の点滅を見てもらい、脳までの伝わり方を調べます。
検査所要時間:60~120分です。
小児の場合は眠った状態で検査を行います。

超音波検査

超音波検査とは人の耳に聞こえない高い周波数の音波を体内に送り、その反射波を画像化して病気の発見・診断を行う検査です。苦痛もほどんどなく、安全(妊娠中でも)に検査が可能です。症状に応じて各科外来からの依頼によりいろいろな臓器の病変を見つけ出し、結石、腫瘍、脂肪肝、動脈硬化症などの生活習慣病の早期発見や病状の経過観察に大変有用です。検査部位によって、主に心臓超音波検査、腹部超音波検査、血管超音波検査に分けられます。

腹部・体表その他超音波検査

主に腹部および体表臓器の病気を発見します。
例:甲状腺腫、脂肪肝、胆石、腎結石、膵炎、乳腺炎、子宮筋腫、前立腺炎など

注意事項

  • 検査所要時間は約15分です。(ただし、検査部位により異なります。)
  • 検査の際は上半身裸になることもあります。上下に分かれた服装が望ましいです。
  • 食事をとらずに空腹の状態で検査を行います。(食事をされた場合は、しばらくお待ちいただくこともあります。)
  • 検査部位(子宮、前立腺など)によっては膀胱に尿が溜まっていた方が都合がよい場合もあります。検査直前は可能な範囲内でトイレを控えてください。
血管超音波検査

主に頸動脈、鎖骨下動脈、下肢動静脈、腎動脈、腹部大動脈、透析に用いるシャントの血流等の評価が可能です。

注意事項

    • 検査所要時間は20~40分程度です。(検査部位が多いほど長くかかります。)
    • 食事の影響はほとんどありません。(ただし、腎臓血管の検査は空腹が望ましいです。)

心臓超音波検査

心臓の形や大きさ、心筋の厚さ、弁の動きや形態、血流の異常がないかを調べます。心機能の評価をします。心臓弁膜症、心筋梗塞などの診断、経過観察に用います。

注意事項

  • 検査所要時間は20~40分程度です。(検査部位が多いほど長くかかります。)
  • 食事の影響はほとんどありません。(ただし、腎臓血管の検査は空腹が望ましいです。)

聴力検査

当院で行っている検査種類

1.純音聴力検査
主に腹部および体表臓器の病気を発見します。
2.チンパノメトリー
鼓膜や耳小骨の振動を調べる検査です。
3.レフレックス検査(耳小骨筋反射検査)
耳小骨筋を調べることにより顔面神経の障害がわかります。
4.語音聴力検査
言葉の聞き取りの検査です。正解率を検査します。
5.内耳機能検査(SISIテスト、自記オージオ検査)
内耳障害の有無を調べます。

睡眠時無呼吸検査 ※予約が必要です

睡眠時無呼吸症候群(Sleep Apnea Syndrome:SAS)は、睡眠中にいびきがひどい方や肥満の方に多くみられ、本症が疑われる場合に行われる検査です。睡眠時無呼吸症候群では、睡眠中に無呼吸(呼吸が一時的に止まる)や低呼吸(呼吸が低下する)が起こることにより、血中酸素飽和度(血液中の酸素)が低下するなど様々な変化が体に生じます。そのために日中に眠気が強かったり、朝起きた時に熟睡感が得られなかったりします。この疾患は、生活習慣病(冠動脈疾患、脳卒中、糖尿病や高血圧など)の危険因子となり、交通事故や労働災害の原因ともなります。
検査は睡眠中の呼吸状態と血中酸素飽和度を調べる方法と、それに加えて睡眠中の脳波(睡眠の状態をみます)も記録する精密な検査方法があります。

  • 一晩病院に入院していただき検査します。
  • 何種類かのセンサーを体に装着して入眠します。
  • 測定装置装着時間:30~60分程度です。

6分間歩行試験

在宅酸素療法を検討または施行している方が対象です。運動耐容能力などの評価や治療方針の決定を行います。6分間でどれだけ長く歩けるか、その距離と歩行中のSpo2とHRを記録します。

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