脳神経外科について
概要
脳神経外科では、脳血管障害(脳卒中)、重症頭部外傷の急性期医療、そして脳腫瘍に焦点を当てた治療を提供しています。
診療内容
クモ膜下出血に対しては、緊急で破裂脳動脈瘤の診断を行い、患者の部位、年齢、状態などを考慮して、開頭脳動脈瘤クリッピング術または脳血管内手術(瘤内塞栓術)を実施しています。脳出血に対しては神経症状や出血の部位、大きさに応じて、薬物療法、開頭血腫除去術、内視鏡血腫除去術のいずれかを選択して治療しています。急性期脳梗塞の治療では、閉塞血管の再開通を目指す血管内手術(機械的血栓回収療法)を行っており、昨年は9件の血栓回収術が行われました。
慢性期脳梗塞に対しては、脳血流改善を目的とした血行再建術(頚動脈内膜剥離術、浅側頭動脈-中大脳動脈吻合術、頸動脈ステント留置術)を実施することがあります。
未破裂脳動脈瘤については、将来の破裂の危険性や動脈瘤の性状などを検討し、治療の適応を決定しています。
脳腫瘍に対しては、最先端のニューロナビゲーションシステム(Medtronic StealthStation S8)と手術用顕微鏡(Zeiss KINEVO 900)を駆使して摘出術を行っています。CTやMRI画像から得た腫瘍や脳血管のデジタル情報を、ナビゲーションの位置情報を基にして手術顕微鏡画面に重ね合わせ表示する、いわゆる拡張現実と呼ばれるコンピューター支援技術を用い、手術を行っています。現在は、水頭症や慢性硬膜下血腫などの脳腫瘍以外の手術でも、ほぼ全例においてナビゲーションシステムを使用し、より安全な手術を心がけています。
新井 政幸
(あらい まさゆき)
役職 | 診療部長 |
---|---|
資格 | 日本脳神経外科学会専門医 |
高沢 弘樹
(たかざわ ひろき)
役職 | 診療部長待遇 |
---|---|
資格 | 日本脳神経外科学会専門医 |
北林 朋宏
(きたばやし ともひろ)
役職 | 診療部長待遇 |
---|---|
資格 | 日本脳神経外科学会専門医 |
午前 受付時間 8:30~11:30
月 | 火 | 水 | 木 | 金 | |
---|---|---|---|---|---|
1診 | 北林 朋宏 | 高沢 弘樹 | 新井 政幸 |
年間入院患者数は約300〜350人、手術は年間150件ほど行っています。2023年の手術の内訳は、脳腫瘍17件、脳血管障害19件、外傷70件、水頭症18件、血管内手術29件、その他4件でした。
当院で脳神経外科治療を受けた患者さんへのお願い
現在、当院では、「日本脳神経外科学会データベース研究事業(Japan Neurosurgical Database:JND)」(※)、「脳卒中の医療体制の整備のための研究(Nationwide survey of Acute Stroke care capacity for Proper dEsighnation of Comprehensive stroke cenTer in japan: J-ASPECT study)」(※)、「日本国内の脳神経血管内治療に関する登録研究(Japanese Registry of Neuroendovascular Therapy: JR-NET)」、「富山県脳腫瘍診療実績調査研究」、「富山県における脳卒中患者に対する両立支援調査(Health and Employment Linking Program for Stroke:HELP-Stroke)」に協力しています。
当院脳神経外科に入院された患者さんの臨床データを解析させていただき、脳神経外科医療の質の評価に役立てることを目的としています。
解析にあたって提供するデータは、提供前に個人を特定できない形に加工した上で提供しますので、患者さんの個人のプライバシーは完全に保護されます。
本研究の解析に自分のデータを使用されることを拒否される方は、当事業実施責任者の脳神経外科診療部長 新井政幸医師にその旨お申し出くださいますようお願いいたします。