整形外科について
概要
整形外科は運動器の病気やケガの治療を専門に行う科です
骨・脊椎・関節などは、はつらつとした人生を過ごすために不可欠な「運動器」という臓器です。怪我や加齢などによって運動器に支障が生じると、痛みや機能障害によって、思うように身体を動かすことができなくなるだけでなく、気持ちまで萎えてしまいます。整形外科は、運動器疾患を治し充実した生活を取り戻すための診療科です。
整形外科を初診で受診される皆様へ
かかりつけ医の紹介状をご持参ください。
当院は高岡市内の中心病院として地域のかかりつけ医と連携し、紹介患者さんの受け入れを推進するため、来院される皆様に出来る限り紹介状をお持ちいただくようお願いしております。紹介状をお持ちでない初診の患者さんには、初診料とは別に選定療養費をご負担していただいております。
皆様にはご不便をおかけいたしますが、ご理解とご協力のほど、よろしくお願い申し上げます。
診療内容
当科では、脊椎・肩関節・膝関節・股関節・足・外傷・スポーツというそれぞれの分野に専門医を配置し、初診の時点から専門性の高い診療を行う体制になっております。鳥畠医師の赴任以来、約3000件の脊椎手術を積み重ね安定した実績とご評価をいただいております。 また、平成29年に設立した「人工関節センター」においては、専門性の高い医師・看護師・理学療法士によるチーム医療が実践されており、手術件数が急増しております。
現在、年間800件以上の手術を行っており、約半数が骨折などの外傷手術です。三次救命救急センターを有する救急病院として、いかなる外傷に対しても機能を最大限に温存する治療を行っております。運動器診療を通じて、微力ながら地域の皆さまのお役に立てることを心より光栄に思っております。
各専門領域の特徴
脊椎、肩関節、膝関節、股関節、足、外傷の6領域で、専門医が常勤しています。慢性疾患に対する診療は、各部位の専門医が行います。担当分野は、鳥畠:脊椎、坂越:股関節+膝関節、太田:脊椎、濱田:足+外傷・救急一般、となっております。
治療の特徴と実績
脊椎
当院は、脊椎専門医が2名常勤している北陸では数少ない病院です。重篤な症例を含め幅広く脊椎疾患、脊椎外傷に対応し2022年度は約210件の脊椎手術を施行しました。低侵襲な脊椎手術として、椎間板ヘルニアに対する椎間板内酵素注入療法や顕微鏡下または内視鏡下の手術、骨粗鬆症性椎体骨折に対する経皮的椎体形成術(BKP)、脊椎外傷に対する経皮的椎弓根スクリュー固定術などにも取り組んでおります。また、内科的な合併症がある方や多発外傷の方については総合病院の利点を生かし、他科と連携を取りながら安全な医療を提供することを心がけています。
担当医師:鳥畠 康充
金沢大学やエモリー大学(米国)での脊椎外科医養成訓練を経て、1997年に当院に赴任しました。腰椎由来の腰痛や坐骨神経痛に対しては体幹トレーニングやブロック注射、頸椎由来の肩こりや上肢神経痛に対しては枕などをフルに活用し保存的治療を行っております。脊椎手術の執刀経験は約3300件で、早期の社会復帰が可能となるよう患者さんの身体に優しい手術を心がけております。特に間欠跛行(しばらく歩くと足が痛むが休むと治る)でお悩みの方はぜひご相談ください。
担当医師:太田 敬
脊椎疾患や外傷を専門として診療を行っています。頸椎由来の上下肢のしびれや手の動かしにくさ、歩行障害や腰椎由来の腰痛や下肢の痛みなどに対し、適切な診断・治療を心がけています。内視鏡手術や皮膚切開の少ない固定術など、患者さんの負担が少ない手術も取り入れています。患者さんとのコミュニケーションを大切に診療していますので、困ったことを気軽にご相談ください。
肩
「肩が痛い」と病院に来られる患者さんの中には、もちろん肩の病気である場合が多い訳ですが、時には肩以外の病気の場合もあります。
まず、整形外科の肩関節疾患の中で肩が痛くなる代表的な病気は「肩関節周囲炎」と「腱板断裂」です。肩関節周囲炎は40歳代以降に好発する肩関節周辺組織の炎症が原因で、炎症が強ければ夜痛くて眠れなかったり、拘縮(関節が固まり動きが制限)を起こしたりします。腱板断裂は、多くは40歳代以降で変性してきた腱板がわずかな外力で断裂するもので、肩を動かすときの痛みや筋力低下により肩が上がらないといった症状が出る場合もありますが、症状があまり出なくて本人が気付かないうちに断裂している場合もあります。
次に、肩関節疾患ではない整形外科の病気で、肩が痛くなる病気としては頸椎症性神経根症や胸郭出口症候群等があります。頸椎症性神経根症は、頸椎症性変化によって神経根が圧迫され神経根症状(痛み・しびれ等)を呈する病気ですが、圧迫される神経根によっては肩のあたりが痛くなることがあります。症状側の腕を上げて、手を頭部にあてる様な姿勢で痛みが軽減することが多いという特徴があります。胸郭出口症候群は、腕神経叢や鎖骨下動静脈が絞扼(圧迫)されたり牽引されて起きる障害(肩や上肢の痛み・だるさ・しびれ感等)です。
また、整形外科疾患ではなくても肩が痛くなる場合があります。肺尖部の腫瘍(パンコースト腫瘍)や狭心症・心筋梗塞等があります。パンコースト腫瘍は肺癌全体の2-5%程度で、肺尖部から腕神経叢に腫瘍が浸潤すると肩や上肢の痛みが出現することがあります。狭心症や心筋梗塞の前駆症状として左肩周囲が痛くなることがあります。整形外科の病気ではない場合でも、肩が痛いと言って整形外科を受診される場合も実際にはあります。
「肩が痛い」といっても必ずしも肩の病気とは限らない場合もありますし、生命にもかかわる病気が病院で見つかる場合もありますので、自己判断せずに早めに病院を受診することをお勧めします。
股関節・膝関節
関節領域における先進的で専門的な診療体制の構築を目的として、2017年に「人工関節センター」を設立いたしました。人工関節手術専門の医師のみならず、手術部、看護師、リハビリ部門、薬剤部など各部門を含めた多職種連携による集約的医療体制を整備した結果、設立以降年間で150件前後の人工関節手術を実施し、良好な結果をあげています。もともと人工関節は優れた除痛効果により、患者さんの高い満足度が得られる治療ですが、最近では更なる満足度の向上を目指した取り組みとして、関節周囲の軟部組織を温存する低侵襲手技や、より生理的なインプラント設置を可能とするコンピュータ支援手術なども積極的に導入しております。人工関節が適応になる患者さんは比較的高齢で、内科的な併存疾患を伴う方も多いと存じますが、総合病院の強みを生かして他の科とも連携しつつ安心安全な治療を提供いたします。
担当医師:坂越 大悟(股関節、膝関節)
股関節や膝関節などの下肢の変性疾患と外傷を中心に治療を行っています。患者さんの原疾患はもちろん、さまざまな要因を十分に検討し個々に合った手術を適応します。主な手術方法は関節温存手術や人工関節置換術です。2017年度からは、手術室やリハビリ部の人工関節専任スタッフによる集学的治療を行う”人工関節センター”を設立し、良好な成果を上げています。股関節、膝関節の痛みでお悩みの方はぜひご相談ください。
足
足(足関節及び足関節より趾先全体)は整形外科の中でも比較的患者が少ない反面、専門性が高い領域です。当院では、足の外科認定医の医師により専門性の高い診察・治療を行っております。保存的治療で改善が乏しい外反母趾や変形性足関節症などの変性疾患に対しても患者さんの痛みの状態などにより積極的に手術を行っています。
担当医師:濱田 知
足の領域(膝及び膝から先)の様々な疾患に対して総合的に治療を行っています。外反母趾などの明らかな変形や足関節、足趾関節の変形性関節など広く診療及び治療を行っています。
外傷
三次救命救急センターを有する救急病院として、いかなる外傷に対しても機能を最大限に温存する治療を行っております。外傷の状態や部位に応じて各専門領域の整形外科医同士で綿密な治療方針の相談を行い、より良い治療を目指しています。
担当医師:濱田 知
骨折をはじめとした外傷について広く診させていただいています。骨折は手術になることも多く、また場合によっては全身状態も悪くなっていることもあり、当院の利点を生かしてより安全に治療を行うよう心がけています。
施設認定
日本整形外科学会認定病院
鳥畠 康充
(とりばたけ やすみつ)
役職 | 整形外科診療部長 |
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資格 | 医学博士 【所属学会】 |
専門分野 | 脊椎外科 |
坂越 大悟
(さかごし だいご)
役職 | 人工関節センター診療部長 |
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資格 | 医学博士 【所属学会】 |
専門分野 | 関節外科(股関節・膝関節) |
太田 敬
(おおた たかし)
役職 | 診療部長待遇 |
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資格 | 医学博士 【所属学会】 |
専門分野 | 脊椎外科 |
濱田 知
(はまだ とも)
役職 | 診療部長待遇 |
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資格 | 日本整形外科学会専門医 【所属学会】 |
専門分野 | 足の外科 |
谷中 惇
(たになか あつし)
役職 | 医長 |
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資格 | 日本整形外科学会専門医 【所属学会】 |
加藤 聖
(かとう さとる)
役職 | 医員 |
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午前 受付時間 8:30~11:30
月 | 火 | 水 | 木 | 金 | |
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1診 | 鳥畠 康充 | 坂越 大悟 | 鳥畠 康充 | 坂越 大悟 | 鳥畠 康充 |
2診 | 濱田 知 | 濱田 知 | 太田 敬 | 濱田 知 | 太田 敬 |
3診 | 加藤 聖 | 谷中 惇 | 谷中 惇 | 谷中 惇 | 加藤 聖 |