2024年7月5日（金）に福井大学特命教授の寺澤秀一先生にお越しいただき、症例検討会を行いました。
研修医2名が一例ずつ救急外来で経験した症例を発表し、寺澤先生がそれぞれの症例に沿って、主訴や症状からの鑑別や問診・身体所見のとり方のポイントなどを分かりやすくレクチャーしてくださいました。
一症例目は、Walk inで救急外来を受診された、発熱と下痢を主訴とした患者さんでした。この患者さんは問診時、既往歴や併存疾患、内服薬、嗜好歴などが全てありませんでした。一見とても健康そうな方の印象を受けますが、こういった患者さんこそより深く聴取に時間をかけるべきだと教えていただきました。既往歴や内服歴がない＝病院へあまり行かないのではないかという目線をもつことが必要だと学びました。通院歴のない患者さんは病院嫌いなことが多いそうですがそういった方からも情報収取できる問診の仕方のコツを教えていただきました。この患者さんは結果的に進行癌とそれに伴う腹膜炎をおこしていらっしゃいました。改めて問診の大切さや幅広く鑑別疾患を想定することの必要性を学んだ症例でした。
二症例目は激しい呼吸苦で救急搬送された患者さんでした。この患者さんは当院到着後、サチュレーションと意識レベルの低下を認め、気管挿管となり、バイタル安定を確認した後に造影CT撮影となりました。寺澤先生は、実際この現場にいた研修医がどういう行動をとったのかを沢山質問してくださり、その対応1つ1つについて良かった点や改善点などについて教えてくださいました。実際の症例を用い、寺澤先生と救急搬送時から診断・治療開始に至るまでの流れを振り返ったことで、各場面で、研修医ができること、すべきことは何なのかを具体的に学ぶことができました。
Walk inと救急車対応のどちらについても実践的な教訓を得ることができ、とても学びの深い症例検討会となりました。寺澤先生、誠にありがとうございました。
