研修医・専攻医募集のお知らせ 寺澤秀一先生による臨床教育レクチャー

臨床研修

2024年9月27日(金)に福井大学特命教授の寺澤秀一先生にお越しいただき、症例検討会を行いました。研修医2名が一例ずつ救急で経験した症例を発表し、寺澤先生がそれぞれの症例に沿って、主訴や症状からの鑑別や問診・身体所見のとり方のポイントなどを分かりやすくレクチャーしてくださいました。

寺澤先生レクチャー
寺澤先生レクチャー

1症例目は腹痛を主訴とした症例でした。問診上は緊急疾患を疑うような所見に乏しく、発熱や強い腹痛も認めていなかったため、場合によっては急性胃腸炎として帰宅させていたかもしれない患者さんでした。しかし高齢者の腹痛は痛みを訴えにくいことや腸管穿孔のリスクが高いことなどから、より詳細に問診・診察することやCTなどの画像検査の閾値を下げていくことが重要だと教えていただきました。
2症例目は癌性胸膜炎疑いの背景を持つ患者さんが呼吸状態が悪化して救急搬送された症例でした。ここではoncology emergencyの概念について学ぶことができました。oncology emergencyは悪性腫瘍により緊急な対応が必要となる症状の総称のことです。たとえ末期のがん患者であったとしても「末期だから」と諦めてしまうのではなく、治療できるものは精一杯治療し、なるべく家族と一緒に過ごせる時間を長く確保できるようにすることが大切だと教えてくださりました。
普段の臨床の中で生じる疑問点について分かりやすく解説くださり、とても学びの深い症例検討会となりました。寺澤先生、誠にありがとうございました。

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